おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり

平城京から平安京。
遷都の物語に、幻の都があったと言う。
教科書にも載らない都の名前―長岡京―。
そんな幻の都があったここ京都府長岡京市から、京を切り取る今日のいろ。

おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり
おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり
おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり
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おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり
おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり
おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり
おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり
おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり
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おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり
おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり
おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり
おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり
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おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり
おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり
おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり
おもてなしの心、京都迎賓館に見るベースカラーの色とりどり

本格的な春はまだ少し先。雨が降る京都御所は人がまばら。
そんな京都御所の敷地の中にひっそりと、それでいてどっしりとたたずむ、ここは国の迎賓施設である京都迎賓館

京都迎賓館は、東京にある洋風の迎賓館赤坂離宮と違い、和風の迎賓館として平安遷都1200年を記念して平成17年(2005年)に完成しました。
建物の扉や床、天井などのいたるところに杉や檜、マツなどの木材を使用しています。
自然の木材を用いた建物は、全体的に暖かみのあるイエローベース。
建物だけでなく、内部の照明もろうそくの明かりのような黄みがかったイエローベース。
気品ある中にも、暖かみのある空間となっています。

『夕映の間』の東側の壁には、京都の東にある比叡山にかかる月を綴織で表現した『比叡月映』。
西側の壁の綴織は京都の西にある愛宕山に沈む夕日を表現した『愛宕夕照』。
『比叡月映』はブルーベース、『愛宕夕照』はイエローベース。
『夕映の間』の壁はベースカラーが対になっています。

『藤の間』の壁には39種類の日本の草花が描かれている織物の『麗華』。
使用した染め糸は約1000種類。
上部から下がる花は藤の花。
藤の花の花言葉は「歓迎」だそうで、藤の花の色は上品な紫色。
ブルーベースの色である紫色は、古来より高貴な色とされてきました。
その藤の花から舞い落ちたように、足元の緞通にも花びらが描かれています。

『桐の間』には、最後は職人の素手で磨かれた12㎡の漆の座卓。
座椅子にはすべて少しずつデザインが違う、蒔絵で作られた日本国政府の紋章でもある『五七の桐』。
掘りごたつ式にしたのは、正座に慣れていない外国の賓客の為。
庭へ続く障子の高さは、標準の高さよりも高く設定。
こちらも背の高い外国の賓客を考慮。

京都迎賓館の設計コンセプトは「現代和風」と、庭園と建物が一体となって調和する「庭屋一如(ていおくいちにょ)」。
どの部屋からも庭園が見えるようにと、廊下の天井はわざと庭に向かって斜めに下がり、目線を自然と庭に誘導。
小さな気遣いと奥ゆかしさに、歓迎の気持ちが表れています。

ただいま天皇陛下御在位三十年慶祝行事特別展が開催中。
1990年11月の即位の礼で天皇、皇后両陛下が身につけた装束と同じ有職織物が展示されています。
天皇陛下が身に着けるその色は、天皇だけが着ることを許された禁色の一つである黄櫨染(こうろぜん)。
黄櫨染は黄土色に似たイエローベース。
皇太子時代のご成婚の時と、今の皇太子さまと雅子さまのご婚礼の際に身に着けた装束のものと同じ有職織物も展示されており、その色は皇太子だけが身に着けることができる色の黄丹(おうに)。
黄丹もイエローベースで黄みがかった橙色。
それぞれがお召の写真パネル展示。
その他、天皇、皇后両陛下が京都迎賓館にご来館された時の写真パネル、「即位礼正殿の儀」の写真パネルなども展示されています。
「即位礼正殿の儀」では、新天皇は「高御座(たかみくら)」で即位を宣言し、新皇后はその隣の「御帳台(みちょうだい)」に上がります。
この「高御座」と「御帳台」は秋に行われる「即位礼正殿の儀」のために昨年、皇居へ運ばれましたが、通常はこの京都迎賓館がある京都御所の紫宸殿にあり、見学することができました。
大正、昭和、平成の即位の礼で使用されたものです。

歴史ある京都の街ではまだまだ新参者の京都迎賓館。
時代が変わっても、日本の伝統と技術、おもてなしの心は、そのまま引き継がれながら次の時代へ。