アイリス通信

今年も暮れゆく「おことうさんどす。」

投稿日:2015年12月28日 更新日:

平城京から平安京。
遷都の物語に、幻の都があったと言う。
教科書にも載らない都の名前―長岡京―。
そんな幻の都があったここ京都府長岡京市から、京を切り取る今日のいろ。

今年も暮れゆく「おことうさんどす。」

「おことうさんどす。」
そうあいさつするのは、京都をつなぐ無形文化遺産である花街の芸舞妓さんたち。
何の気なしに心急く年末、12月13日は正月準備が始まる「事始め」。
「お事が多くてお忙しいことですね。」とお師匠さんや、お茶屋さんにご挨拶。

そんな事始めの日から、祇園にある舞妓さん御用達の甘味処「切通(きりとお)し進々堂」さんでは、6寸ほどの大きさのまぁるい玉が軒先を飾ります。

今年も暮れゆく「おことうさんどす。」

まぁるい玉は「福玉」。
舞妓さんが年末のあいさつで訪れたお茶屋さんやご贔屓のお客さんからいただくもの。
福玉の半分は白、もう半分は食紅でピンクに染めたそれぞれ薄いお餅。
これを細い金色の帯で張り合わせてまんまるな玉状に。
その福玉の中に入っているのは縁起物。
早く縁起を見たいからと言ってすぐに開けてはいけません。
開けるのは除夜の鐘が鳴ってから。
新しい年の始まりは縁起物で景気よく。
紅白に見立てた福玉の色。
紅と言うよりは薄いピンク。
薄いピンクと白はブルーベース同士の落ち着いた組み合わせ。
ここにイエローベースである金色の帯を合わせることにより、お正月を待つ年末の華やぎと、お正月のめでたさを感じます。

お正月を待つ年末の華やぎのある小さな金色。
今度は頭上をご覧ください。

今年も暮れゆく「おことうさんどす。」

こちらは 京都四條南座
歌舞伎吉例顔見世興行。
今年の「當る申歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎 四代目中村鴈治郎襲名披露公演」に上がった、東西有名どころの歌舞伎役者の名前が書かれた白木のまねき。
お正月前のそわそわ感を強調するように、笹にくくられた金色銀色の短冊が、邦楽連中まねき、役者まねきに華やぎを添えます。

今年も暮れゆく「おことうさんどす。」

細い帯でも、頭上で小さく揺れていても華やかなイエローベースの金色。
ピリッと主役を引き立てます。
京都の街の雑多な風景に紛れながらも、「おことうさんですね。」と今年も暮れていきます。

 

きょうの色

金色(きんいろ):金属のような光沢のある黄色。

 

杉原康子ライター:杉原康子
【資格など】ベースカラー診断士、パーソナルカラーアナリスト、CLEインストラクター、A・F・T 1級色彩コーディネーター、長岡京生涯学習人材登録講師、中国国家認定 中国茶芸師(プロフィールページへ

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